こんばんは。わいざん(@yzan_travel)です。今日も仕事を終え、ひと息ついてSNSをチェックしていたところ…急上昇トレンドに上がってきた三重県にあるテーマパーク志摩スペイン村。
あれ、そんなトピックスになるようなイベントとかやってたっけ?と思ってTwitterを見に行ってみると…どうやら公式HPが客足の少なさから自虐に走ったPRをしているらしい。
今回はその自虐PRがあまりに衝撃的だったので紹介したいと思います。
目次
Twitterに流れてきた志摩スペイン村の自虐PRがすごい
三重県にある志摩スペイン村、その客足の少なさから、とうとう自虐ネタに走りました。 pic.twitter.com/mucj7NzxM9
— 健康第一 (@itouen25802222) 2019年2月13日
そのツイートがこちら。現時点で4万回を超えるリツイートがされています。
三重県にある志摩スペイン村、その客足の少なさから、とうとう自虐ネタに走りました。
衝撃の添付画像に一瞬目を疑ったのですが、どうやらこの画像は公式HPからの転用らしい。慌てて公式HPを見に行くと…確かにこの画像の通り…いや、この画像そのものがそこにはあった。ひとつひとつ落ち着いて説明していきたい。
衝撃のメインキャッチコピー
その自虐PRページは志摩スペイン村の公式ページから学生向けの企画としてあった。
メインバナーに打ち出されている衝撃のキャッチコピーは『好き!!空き!?』学生スキ放題パークとある。
“空いている”というテーマパークにとっては、隠してしまいたいような現実を思いっきり前面に押し出している。この覚悟はすごい。
高校生、大学生の皆さんにコッソリおすすめしたい。
まだまだ魅力を知られていない志摩スペイン村は
正直、スキスキ!
混雑してないからこそ他施設より
2000%遊びたい放題 楽しめる
特集ページにはこんな文章まで書いてある…いや、どこまで正直なんだよ!逆に好感が持てるわ!!
自虐PR4つのポイント
さて、もう深堀せずともこの時点でかなりのインパクトが伝わっているであろう、このスペイン村のPR。落ち着いて自虐PRの詳細をそれぞれ見ていこう。どうやらこの自虐PRは4つの項目から成り立っているようだ。ひとつひとつ目を逸らさずに見ていこう。
並ばないから乗り放題
いきなりストレートに人気テーマパークの宿命である待ち時間についてブッ込んできた!!!
切り口は至ってシンプル!空いているから待ち時間がほぼゼロだという。うーん…「人気アトラクション2時間待ち」とかがウリになっている他のテーマパークとは明らかに一線を画している…でも、これ考えようによってはいいですよね。
わざわざ混みあっているところに行くより、選択肢として空いているテーマパークですよっていう現状を伝えるというのはアリな気がする…どんな仕事でもなかなかそれが言えないのが課題なんでしょうね。
空いているから映え放題
続いては今や学生たちのお出かけには欠かせないInstagramへの投稿を意識した映えポイント。
ただ、ここでもちょっと切り口が異なる。オシャレだとか、世界観を出す以前に「空いてるから映り込みナシ」という点を前面に押し出している…
だた、正直なところ、これにはかなりの魅力を感じる人が多いのではないでしょうか?どれだけオシャレなスポットでも、人が多すぎていい写真が撮影できなかったという経験はみんなあるはず。落ち着いて写真が自由に撮れるなら、これは魅力的に感じるかもしれない。
ライバルが少ないから目立ち放題
さぁ、いよいよ無理やりになってきましたよ!
続いての切り口はライバルが少ないから目立ち放題だそうだ!
しかも、気合次第でショーの主役にもなれちゃう!らしいよ!!いや、気合次第って!!
未だかつてこんな投げやりなPRを見たことがあるだろうか?お客さんに気合いを求めるな!
ただ、現実問題として現代のエンタメは一方的に見るよりも作り手にまわることを楽しむ需要がもでてきているのも事実。ショーの主役になれると考えると、実はショーを見るよりも心に残る思い出になるというのは一理あるかも…
ライバルが多いと、ステージに上がるチャンスがあっても「挙手制」になってしまい、残念ながら上がれなかった…という経験をしたことがある人もいるだろう。人が少ないと確実に目立てるというのは魅力かもしれない。
距離も近いから仲良し放題
そして最後の切り口がこれだ!!距離が近いから仲良くなれるという…
もういよいよわけがわからない!!!お近づきになり放題♡って町コンか何かかよ!!
3回も会ったらもうマイメン…マイメンってなんだ??
主に親密な間柄の親愛なる人を指す意味合いで用いられる表現。家族、親友、尊敬する人などを指すことが多い。もともとは英語の my man(兄弟)に由来する語とされるが、最近では「マイメンバー」(my member)の略とする解釈もある。
いや、思わずググって物知りになってしまった…マイメンは若者言葉として使われてるらしい…志摩スペイン村のおかげでひとつ若々しくなれたことを感謝しなければならない。
自虐PRの効果は?
それにしてもすごいインパクトだった志摩スペイン村の自虐PR。ただ笑えるだけでなく、僕らはこのPRから学べることがたくさんあると思う。これが25周年のアニバーサリーイヤーに行われているから驚きだ。
Twitterの反応は好感触
単なる自虐…と、思いきや待ち時間がないことやインスタ映えスポットに人が写り込まないなど、お客さんにとっての魅力もしっかりと伝えている。SNS上でも非常に好反応のようだ。
え、いいですね。行ってみたいです。三重は伊勢神宮と鳥羽水族館とかだけ回って時間なくなっちゃったので伊勢志摩のほうも行きたい。
もう25周年なんですね、スペイン村。https://t.co/Te2mdYcafC— みなと (@oogutikaimono) 2019年2月13日
ホントに映え映えなロケーションです✨✨
乗り物もサクサク乗れるし、
久々に行った時「いいじゃーん!」って思いました。— もんすけ (@chika___nyan) 2019年2月13日
「好き!!空き?!スキ放題パーク」とか思いっきり自虐に走ってるスペイン村w
トレンド入り&25周年を祝して、我が家で15年間ずっと現役で頑張っている10周年マグネットクリップをご紹介します♪
スペイン村、いろんな意味でオススメですよ~
(о´∀`о) pic.twitter.com/N5wGJBSv4C— 澤嬢 (@sawajoh) 2019年2月13日
Twitterでの反応は概ね好意的な反応が多い。元々行った事のある人が思い出したり、知らなかった人も興味を持つような反応を見せている。これはマーケティングとしては充分な効果だと言えよう。
Instagramでの映えスポットは?
続いて空いているからインスタ映えをおすすめしている点はどうでしょうか?いくら空いていても、スポット自体に魅力がないと意味を成しません。Instagramで #スペイン村 を見てみると…
View this post on Instagram
かなりの映えスポット。しかも確かに人の映り込みがない!!!
これを見ると行きたくなりますよね。ただの自虐ではなくクオリティをしっかり持った上での自虐なので、まさに伝わっていない魅力をうまく伝える結果になっているように思えます。
SNS時代のマーケティングは正直であることが求められる
今回、Twitterトレンドに上がってきたことから全くもって予想もしなかった角度から僕の意識に入り込んできた志摩スペイン村。
「お客さんがいない」というある意味タブーであることを正直に伝え、さらに空いているからこそのお客さんへのベネフィットもしっかりと伝えていることがポイントだと思う。ただの自虐ではなく、「空いているからこういうところが魅力になってるんですよ!」ということを打ち出しているんですね。
多くの人は「人が少ない=人気がない」というところで思考停止してしまい、人気がないことを変に隠そうとします。テーマパークに限らず、個人のイベントやセミナーなんかもそう。
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みたいに煽ってその場限りの集客をしたとしても、実際に当日会場に来てお客さんが少なかったら、参加者はこう思うはずです。「あいつ、嘘つきやがったな」と。そして、誰もが持っているスマホカメラでその場を撮影してSNSに投稿すれば、人気がないのに嘘をついて人を集めようとしていたということが一瞬で伝わります。SNS時代のマーケティングは嘘がつけないのです。
そんな時代だからこそ…マーケティングには正直であることが求められると思います。ただ、それはしっかりと企業努力をした上での正直さ。その先に何の価値もなく、毎回お客さんに泣きついているだけだと消耗してしまいます。そこは間違ってはいけないところなんですね。
この志摩スペイン村の自虐PRは非常に事例として参考になると思います。正直であり、お客さんにベネフィットをうまく伝えている。
こんな発想でPRできればきっとファンも増えるでしょう。既存の常識に捉われず、頭を柔らかくして考えていきましょう。
なんと25周年記念で2019年3月31日までは学生は2,500円で入場できるらしいですよ。これ、本気で学生取りにきてるな…志摩スペイン村、恐るべし。