情報の価値を見極めるより、知的好奇心をくすぐられる場にいよう

知的好奇心という言葉が好きです。My Little Loverが好きなんですけど、recallという曲があります。2006年の曲。

マイラバといえば、多くの人は小林武史を思い浮かべるのではないでしょうか。言わずと知れた日本が誇る音楽プロデューサー、大ヒットした名盤evergreenもこの人無しでは生まれなかった…というか小林武史が作ったとさえいえるものです。

小林武史が関わってた昔のマイラバも、もちろん好きなんですが、僕はボーカルAKKOのソロプロジェクトとなった2006年以降のMy Little Loverが好きです。正確にはこのタイミングから表記がMy Little Loverになりました。ここまではMY LITTLE LOVERです。通称は変わらずマイラバ。参考までに。

1995年の衝撃のデビューから、いきなり3rdシングルHello againが180万枚を超える大ヒット。そして1stアルバムevergreenは280万枚のセールスを記録。しかも初動で102万枚売れたんですけど、1stアルバムでの初動ミリオン達成は史上初だったんですよ。いかに注目を集めてたかがわかりますよね。

当時僕は高校一年生。このアルバムには甘酸っぱい思い出がたくさん詰まってます。広島県の県北で中学生までを過ごした僕は、高校から広島県の第二都市である福山にいきました。遠方なので寮生活だったのですが、1年目の秋にさっそく退寮処分。ひとり暮らしのマンションが見つかるまでは1日に2本しかないバスで2時間かけて通ってたのですが、その道中でよく聞いてました。今聞いても当時を思い出す。懐かしいなぁ。

順調なスタートを切ったマイラバですが、この後はかなりの葛藤があったようです。何しろデビューから半年でJ-POPの頂点に登りつめたわけですからね。これ以降はevergreenの後にリリースされた4thシングルALICEを聞けばわかるように、ここからは実験的なサウンドへの挑戦が始まります。デビューから1年待たずして既にスタイルを変えていくというスピード感。長期に渡り単発のシングルをリリースし始めます。

実験的なシングルはどんどん溜まっていくのですが、待てども待てどもアルバムは出ません。ここで変にアルバムを出さなかったことに僕は強い意志を感じ、強烈に惹かれました。いや、アルバム聴きたいんですよ。「早く次回作を聴かせてくれ!」と想いは強まるばかり。けど、出さないことに強い意志を感じたので逆に惹かれました。

そして高校卒業間近の1998年3月に待望の2ndアルバムPRESENTSを発表。僕の高校生活はマイラバに始まり、マイラバに終わる格好となりました。

ちなみに約2年に渡って発売しまくったシングルも約半数が収録されず。収録されなかった理由は、コンセプトが違ったからだという事は、インターネットが当たり前でなかった情報が少ない当時でも感じ取れました。セールスを考えたらシングルを増やした方がいいんでしょうけど、それをやらない。そういうところが好きな所です。

僕はPRESENTSのすばらしい完成度に泣きました。こんなすばらしいアルバムを聴きながら高校生活の最後を迎えれたことを嬉しく思います。evergreenからPRESENTS発売までの間にAKKOと小林武史は結婚し、出産のため一度の活動休止期間を挟んでます。

それから3rdアルバムNEW ADVENTUREをわずか5ヶ月後にリリースし、収録されなかったシングルはこちらに入りました。キチンと世界観は守っていたのでさすがだなぁと。セールスはこちらの方が売れましたが、個人的にはPRESENTSの方が好きです。この後、超マニアックなThe Watersというコンセプトアルバムを、ほぼノンプロモーションでリリースし二度目の活動休止へ。AKKOと小林武史はニューヨークへ移住しました。

このくらいから恐らく、ほとんどの人はマイラバの印象が消えてるのではないかと思います。その後、2001年にshooting starで活動再開。当時、倉敷の商店街をのんびり歩いてたら、有線からAKKOの歌声が流れてきて「マイラバだ!」と叫んで恥ずかしかったことが思い出されます。

同年4月に日傘をリリースして4thアルバムTopicsをリリース。小林武史は最高傑作と評し、僕もそう思うのですがセールスは10万枚届かず。これ以降、ほとんどの人はマイラバの名を聞くことは無くなったのだと思います。ちなみに僕は先行シングルであった日傘という曲が大好きです。〜japanese beauty〜というサブタイトルからわかるように、日本の美しさが感じれる曲です。

2002年にギタリストの藤井謙二が脱退。その後も語ればいくらでも長くなるのですが…そこは割愛して、2006年に小林武史が脱退。そこからAKKOのソロプロジェクトになります。そしてソロ第一弾シングルとしてり・ぼんをリリースし、12月にアルバム「AKKO」をリリース。このアルバムの中にrecallは入ってます。ようやく本題にたどり着きました。

recallは「思い出す」という意味。小林武史の脱退に伴い、このアルバムからAKKOが自ら作詞を手がけてます。1995年のデビューから激動の10年を経験したAKKOは、この曲をどんな思いで書いたのか?一体何を思い出しているのか?小林武史が離れ、もう完全に終わった…というより、もう誰もマイラバのことなんてコアなファン以外忘れてるといったような状況。僕はそんなAKKOがリリースしたこのアルバムにとても期待していました。

僕は何度も何度もこの曲を、いやアルバム全体を通してソロになったAKKOの歌声を聴きこみました。recallの歌詞の一部を紹介しますね。

知的好奇心あふれてる 輝くその瞳 記憶の片隅にある recall your feeling

ここで知的好奇心という言葉が出てきます。recall your feelingとは、あなたの気持ちを思い出す、という意味。AKKOはどんな気持ちでこのフレーズを歌ってたんでしょうか?

僕はrecallは子供の頃の純粋な気持ちを思い出させてくれる曲なんだと思ってます。恐らく、AKKOは自分の子供に重ねながら、幼い頃の無限大の可能性を持つ自分の記憶を呼び覚ましたのではないかと。

愛が足りない 夢が持てない そんなはずはない もっとよく目を凝らして 周りを見てごらん

この言葉も、自分の子供に言ってるようで…ソロとして不安の中、新しいスタートを切った自分へのエールのようにも思えます。そしてそれは、僕へのエールにもなりました。

知的好奇心。

2006年…当時の僕はこの曲を聞いて子供の頃を思い出します。この頃は、今みたいに独立して自由に働いていたわけではなく、地場のドラッグストアで働いてました。仕事は楽しくて好きだったけど、それ以外の楽しみがあったか?と言われたら無かったと思います。いつからそうなってしまったのか?

子供の頃の僕は、興味があることにはとことん没頭して、時間を忘れて夢中になってた。それは自分にとって有益であるとか、これを知っておかないと社会に出たら困るよ!というようなことでなく、単純に知らないことを知りたいという欲求から動いていました。それが知的好奇心。

あれだけ溢れてた知的好奇心は…今どうだろう?仕事に夢中にはなってるけど、必要なことばかりやってないか?いや、それはもちろん大事なことではあるけど…心のどこかで「もっとおもしろい何か」を求めてないか?人生にワクワクしたいと思ってないか?

僕も今ではよく聞かれます。何かおもしろいことないですかね?とか、やりたいことがないんですがどうしたらいいですか?とか。2006年当時の僕もそうだったから気持ちはわかります。そこで、僕は知的好奇心を思い出して欲しいと思います。

子供の頃、なんであんなに毎日夢中になれてたんだろう?キッカケは単純に知りたいという思いから。それで調べてくと次が気になって、それも調べてると次が気になって…それを繰り返したらやりたいこと、遊びたいことが次から次に出てきて「やりたいことがない」なんて言ってられなかった。

ただ、始まりはひとつの知的好奇心。損得、メリットデメリットでなくたったひとつの知的好奇心。大人になると、無意識に「これをやって意味はあるのか?」とか「こんなことしてて大丈夫なのか?」というブレーキがかかるのだと思います。それだといつまでもやりたいことが出てこない。

recallを聞きながら、当時の僕は改めて今、この瞬間自分が気になってることを集中して掘り下げてみようと思った。それは遠回りかもしれないし、何にもならないかもしれないけど、単純に知らないことを知れば世界はその分だけ広がる。それを繰り返してるうちに、やりたいことが見つからないわけがない。世界はそんなに狭くはないと。

そして、この頃から僕は子供の頃から好きだったけど、社会人になって忙しさから離れていた読書を再びするようになる。歴史を勉強するようになる。知らないことを知っていくのは楽しい。大人になっても、それは変わってなかった。ただ、すぐに意味があるものだけをやらないといけないって思いこんでただけだった。曲を聴く事で自己啓発になってたわけですね。音楽にはそういう力があります。

有益な情報を探してる時間はもったいない。それはあなたでなくてもいいはず。他の誰かに任せよう。やりたいことを見つけたいなら、今、自分がこの瞬間に気になることにのめり込もう。

自分が知らない情報にたくさん触れよう。必要かどうか?で判断してたらいつまでもマニュアルで事足りる人間にしかならない。もっと無駄なものに触れて、自分らしい知識を広げよう。そういうことを僕は伝えていきたい。

今日、サロンメンバーになって1年間経ったというた人が、人生が変わるキッカケになったというブログを書いてくれてました。意味がある事、有益なことを提供するサロンだとこうはならないでしょう。僕はサロンで知的好奇心を高めれるように自分の経験したことを毎日投稿しています。それに触れてどう思うか?を感じて欲しい。

だからこそ、この感想は嬉しかったし、1人でもそういう場を作れたんだなって思うとやってよかったなぁと心から思います。

 

僕のサロンには、一緒に運営している楠一成がいます。彼はマジでいつも目の前の事に夢中になってる。子供みたいだなって見てて思う。今はオート三輪を作ってます。段ボールでイメージを作ってる時の様子がこちら。

この段ボールが、どんどん形になっていくのを横で見てると、興味ないことでもワクワクしてくる。

めっちゃ遊んでるなぁとつくづく感心する。僕はサロンメンバーが好きなことを表現できる後押しをしていきたい。

≫わいざんオンラインサロン

なかなか知的好奇心がくすぐられる場だと思います。よかったら一緒に遊びましょう!

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