こんにちは。わいざん(@yzan_travel)です。
2018年の衝撃エピソードといえば、国民的人気漫画であるちびまる子ちゃんの作者である、さくらももこさんの逝去…突然すぎる訃報に、大ファンだった僕はショックで落ち込みました。
あまりのショックに、さくらももこさんの出身地である静岡県清水市に、まるちゃん所縁の地を巡るツアーに行ったほどです。このことについても、また記事にしたいと思ってます。今日は、そのちびまる子ちゃんをさくらももこさん自らが深い闇へと突き落としたともいえる問題作…ちびしかくちゃん2巻についてです。
目次
さくらももこセルフパロディちびしかくちゃん
こちらがちびしかくちゃん2巻の表紙。
心なしか、しか子の表情が穏やかというか…安からな感じに見えるのは気のせいでしょうか。個人的にめちゃめちゃ引き込まれる絵です。なんか改めて終わりと思うと寂しいなぁ。
ちびしかくちゃんとは
さくらももこ本人によるちびまる子ちゃんのセルフパロディ。
見た目の通り、「まる子」より四角くて、何かと角が立つのが「しかくちゃん」…
自由奔放に生きるまる子とは違って、世知辛い世間を必死に生き抜く様は感動すら覚えます。
2巻で最終巻
さくらももこさんの逝去により、ちびしかくちゃんは2巻でおしまい。非常に残念ですが、自身の作品には必ず関わる事を信条としてきたさくらももこさんなので、ここで終わりというのはファンとしては納得の形。
残念ではありますが、安らかに眠って下さい。
1巻の感想はこちら
ちびしかくちゃん1巻の感想はこちら。ちびしかくちゃんを知らない人はこちらから読んでもらうとわかりやすいかもしれません。
登場人物一覧
登場人物一覧はこちら。全てちびまる子ちゃんのキャラクターのパロディです。
2巻では、ブー太郎のパロディであるブタ田ブ太が登場。それにしても名前が酷い…自らのキャラクターをこんな風にパロってくるとは、さすがとしか言いようがありませんね。
2巻のエピソードも闇が深い
さて、そんなちびしかくちゃん2巻ですが、引き続き闇は深めです。この闇をどう楽しむか…それがちびしかくちゃんのキーポイントになります。間違ってもほのぼの路線を期待したらダメですよ!
ちびしかくちゃん本名 ざくろももこ
ちびまる子ちゃんは「さくらももこ」っていう名前だけど、ちびしかくちゃんの本名はなんでしょう。
これは、まだ正式に名乗ってなかったらしく、本名は「ざくろしか子」っていうらしい。いや、響きがなんともすごいな!
しか子も「ざくろ」っていう苗字が気になるようで、お父さんに聞くシーンから始まります。確かに珍しい苗字ですよね。最後なんでしみじみと読もうと思ってた僕は、ちょっと気になって実際にこの苗字はどのくらい日本にいるのか調べてみました。
柘榴という苗字について
するとこんなデータがありました。奈良県と和歌山県に約10人づつ…つまり全国に20人いるようです。しか子もこの中に含まれるのかなぁ…それにしても家族が6人ですから、既に約三分の一くらいを占めてるわけですね。
珍しい苗字に怒るお姉ちゃん
さっそくツッコミどころなんですが、苗字が珍しいってだけでお姉ちゃんのこの怒りよう…そこから「そもそもざくろって何?」って聞くしか子に対する、お母さんとお姉ちゃんのセリフと表情がたまりません。
おじいちゃんは1巻よりちょっと柔らかくなった感じがしますね。さすがにしか子が救われないと思ったのでしょうか。
そしてざくろを知らないという事に対して恐れおののくしか子。それをフォローするおじいちゃんがやっぱりちょっとだけ優しい感じがしますね。おばあちゃんの「ちょっぴり恥かもね」ってセリフがジワります。
ざくろへの憧れ
ざくろが木の実で、しかも食べれるという事をしって輝かしい表情になるしか子。いつも周りから非難ばかりされてるので、食べられるっていう「必要とされてる感」への憧れを抱く気持ちになるのでしょうか…
そして即、お姉ちゃんとお母さんのコンビに否定されます。ざくろもいい迷惑だよ…全く。まぁ憧れるかどうかって言われたらその通りなんだけど、仮にも小学三年生の女の子があんなに輝かしい表情をしてるのにこの水の差しよう…
ところがそこにおじいちゃんのフォローが入ります。違います!今回のちびしかくちゃんは違います!本家ちびまる子ちゃんを彷彿させるようなハートフルな展開!
そしてお父さんのくだらないギャグで一家だんらん。
苦虫をつぶした顔しかしてなかったお姉ちゃんもお母さんも笑ってます。よかった!よかったね!しか子…
オチはだまちゃん
このちびしかくちゃんで最も目立ってると言っても過言ではないのがこのだまちゃん…
本家たまちゃんがいい子過ぎるのもあいまって、だまちゃんのブラックさがとにかくすごい。もうビジュアルからしてたまちゃんの真逆を言ってますもんね。なんだよあの鼻…
そんなだまちゃんですが、しか子の苗字エピソードを聞いて感想をひと言。
この表情とセリフ!
よくよくセリフを読んでみると、「あんたちょっとはいい家族に囲まれてるね」って見下してるような気もするけど(笑)
でも、不思議とちょっといい話なように見えなくもないです…うん、僕にはなんかしか子の家族のだんらんをあのだまちゃんが「いいね!」って言ったような…でも一筋縄ではそうは思えないような微妙なラインだと思います!
しか子も意外だったようで顔に横線入ってます…
しか子的にも高評価は意外だったのでしょうか…なんというか、“ばかばかしい事で笑ったほのぼの家族”を、だいぶ上から評価を下された感じがしますね。でもこの何とも言えない微妙な感じがいい。さすがちびしかくちゃん。2巻もおもしろい!
ちびしかくちゃんが僕らに伝えたかったこと
ちょっとハートフル?なエピソードを紹介しましたが、ブラックさは2巻でも健在なのでそこはご安心ください。
だまちゃんは相変わらず怒ってますし…
怒るだまちゃん
しかく屋という四角いアイテムしか扱ってないお店があって、そこでしか子はしかくいアイテムを調達してるらしい。そこに誘ってもらえなかった事を死ぬほど怒るだまちゃん。健在です。
しかく屋なんてつまらない物ばかりだし……
というしか子に対して「つまらない物ばっかりなんてあんたが決めるんじゃないよ」と一蹴するだまちゃん。
相変わらず怒ってるだまちゃん
ブー太郎のパロディキャラである、ブタ田ブ太なんて、あだ名じゃなくて本名がコレって一体…
先ほどのしか子の本名エピソードはコイツへの伏線だったとしか思えません。ざくろっていい苗字!!
このブ太にはブー子という妹がいます。その妹とだまちゃんとしか子の3人でままごとをするエピソードがあるんですが…
そしてだまちゃんは相変わらず怒ってる。ままごとをして、けんかするふたりに対して中立な立場をとろうとしたしか子をケーサツに突き出そうとするブラックなおままごと。
だまちゃんとケンカしてたのはブー子。ブー子がブサイクだって事を認めないしか子を逮捕してくれというだまちゃん。こんなブラックなおままごとが許されていいのか…
だまちゃんの迫真の演技?に思わず「自分がブサイクでいいよ!」しか子を逮捕しないでって申し出るブー子。ところがオチではだまちゃんのこのセリフ。
このままごとに奇想天外なエッセンスを加えたかったんだよ
平凡なブー子にはわかんないだろうけど!
それにしても、この後姿のしか子はどんな表情でこのやり取りを見てるんだろうか…
運動会でのだまちゃん
転んで泣いてるブ太にだまちゃんはこの後、ハンパなく怒るのですが…しか子は転んで泣いてるのにそれはかわいそうとかばう。
ブ太が転んだせいでクラスがビリになったと怒るだまちゃん。かばうなら責任取ってしか子がブ太のところに嫁に行け!と怒る。それに対して妹のブー子の「なんてことを…」これもジワる。
それは言いすぎだとしか子をかばうブー子。だまちゃんはこの前からブー子はつまんないとバッサリ。
それどころか…
顔は面白いから期待しちゃうんだよね
って…なぜか触れられないけどだまちゃんも相当だと思うよ!!
最終的にはブ太にビンタをくらわすブー子。それに対して…
ブー子なかなかやるじゃん
と、満足げなだまちゃん…
だまちゃんはいつだって自己主張している
今回もとにかく怒ってばかりのだまちゃんでしたが、最後の「ブー子なかなかやるじゃん」のところの満足げな表情が印象的です。
思えば、しかく屋に呼ばれなくて怒った時も「おもしろいかどうかは私が決める」と言ったり、おままごとでしか子を警察に突き出そうとした時も「おままごとに奇想天外なエッセンスを加える」と言ったり、ブ太にビンタをして自己主張するブー子に満足げな表情を浮かべたり…
だまちゃんは、もしかしていつだって自分らしく周りのみんなに生きてほしく、それを自ら貫いてるのではないでしょうか?他の誰かの価値判断でなく、自分の思った事、感じたことを言おうと。
ブー子がブサイクと思っていながらも、さすがにそれは言えない…と自分を隠すしか子へのいら立ちや、はっきりと自己主張するブー子に満足気な表情を浮かべるのも納得がいきます…
ブー子がブー子としての役目を果たしてない…
そのだまちゃんの言う役目がいいかどうかは別として、それぞれのキャラクターに、それぞれの役目を果たせと言ってるのではないか…
と、無理やりいいように解釈しようとがんばりましたが、やっぱりだまちゃんは怒りすぎです(笑)
みんなも自己主張しすぎて、だまちゃんみたいにならないように気をつけよう!人にやさしく!!
ちびしかくちゃんは残念ながらこれでおしまい。さくらももこさん、本当にありがとうございました!