平成最後の正月なので、今まで隠してた秘密を暴露します

2019年ですね。あけましておめでとうございます。

このブログをご覧の皆さまへ

読者の皆さん。

ようやく心を決めました。この場を借りて、ひとつの告白をさせていただきます。

今年は平成最後の正月。墓場まで持っていこうと思ってた僕の秘密を暴露しようと思います。どうか僕のことを変わらず好きでいてください。そもそも嫌いな人はここでブラウザを閉じてこれ以上嫌いにならないでください。

平成最後の正月に…

平成の事件は平成のうちに…こんな言葉がニュースから流れるひとつの時代の終わりですね。

この言葉にならって、ひとつの秘密を話そうと思います。僕が過去に犯した完全犯罪についてです。もう25年くらい前のことですが、未だに完全犯罪…どころか、誰にも気づかれていません。

その未解決事件の全貌を、まさに今から皆さんにお話ししようと思います。この話は、まだそう…あれは僕が高校生の時でした。

高校時代のわいざんについて

高校時代の僕は、家を離れある進学校に進学しました。入学当初はかなり勉強もできたほうでした。遠方の為に学校指定の寮に入っていたのですが、少しばかりの問題を起こして大量処分になってしまい、高校生にして一人暮らしをすることになりました。ただでさえ私立高校で学費も安くない上に、さらなる経済負担をかけてしまって両親には本当に申し訳なく思っております。

今、振り返るとそんな風に思えるのですが…当時は遊びたい年ごろの高校生。すぐに学校に行かなくなってしまって遊び呆けて過ごしてしまいました。当然、成績はガタッと落ちて、まぁ…不良とかではないけど問題児って感じの高校生活を送りました。

そんな僕でも人並みに部活をしておりまして、ソフトテニス部に属してました。中学の時からやってまして、まぁ…全然上手くはなかったのですが、県大会くらいには出るくらいの実力でした。人並みにがんばって練習もしてましたよ。

読者の皆さん。

この部分は読んでいて面白みに欠けるものかもしれません。ですが、どうか読み飛ばさないでいただきたい。

この”ソフトテニス”というスポーツが、今回の話のキーとなるエピソードなのです。

当時の高校の状況

当時の高校生はスポーツができる奴がモテる風潮がありました。不思議なものです。大学生になると、頭がいい奴がモテるに切り替わる風潮があったのですが、恐らくこれは今でもそうなんではないかなと想像してます。

僕は子供の頃から文科系タイプだったもので…ソフトテニスという運動部に属してはいたものの、運動の方はパッとしませんでした。いや、とりわけ全くの運動音痴というわけではございません。可もなく不可もなくという感じでした。体育の時間もよくサボってたので、運動では目立てない存在だったのです。

運動神経がいい奴はモテる…多感な高校生の頃の話です。羨ましくないと言ったら嘘になります。体育祭の度に運動できる奴を羨んだものです。

だからといって、特に自分自身に劣等感があったわけではないのですが、いつかは運動でみんなの注目を集めれたら気分いいだろうなって思ったりもしてました。目立ちたがり屋な性格は昔から変わらないんですね。

未解決事件を告白すると言いながら、内容と手口から外れた話をして申し訳ございません。読者の皆さんは、事件の内容と真相だけを知りたいとお思いでしょうが、この高校時代の僕の心情を抜きにしてはこの事件は語れないのです。

この事件は僕の青春そのものだったのですから。

計画へと突き動かす原動力について

読者の皆さん。

ここで皆さんにひとつお願いをしてもよろしいでしょうか?

『お願い』といっても明日の金杯の馬券を代わりに買いに行ってくれ、みたいな頼み事ではありません。ひとつ考えていただきたいのです。

――それは『高校の時に運動神経がよかったら何をしたいか』についてです。

この先を読む前に、改めて皆さんに考えていただきたい。

『高校の時に運動神経がよかったら何をしたいか』

甲子園を目指したいという人もいるでしょう。

体力測定で記録を出して、クラスの人気者になりたいという人もいるでしょう。いずれにしても、高校時代における『運動神経』というものが偉大である事は疑いようがないのです。

――人の一生を変えてしまうほどに。

そうです。僕の考えた完全犯罪は、その高校生にとって誰もが渇望するであろう、運動神経が簡単に手に入るというものだったのです。

計画の為のアイディア

読者の皆さん。

それではいよいよ僕が実行した完全犯罪。その計画についてお話ししましょう。

その前に、この事件のキーであると先ほど申しましたソフトテニスの事を覚えてますでしょうか?

僕がこの計画を実行できたのは、ソフトテニスをしている人なら誰もが『わかる』と同意するであろう、ひとつの豆知識があるのです。それについて先にお話しさせてください。

テニスプレイヤーは、体にある特徴があります。それは、僕のようにそこまで真剣にテニスに打ち込んでいたわけではないという人間でも…中学校から初めて4~5年くらいテニスをしていたら現れる症状です。

それが何かわかりますか?

「左右の手の長さが違う」

そうなんです。テニスをしていると利き腕…そう。ラケットを振る側の腕が長くなるんです。僕の利き腕は右手なので、右腕が左腕より6~7センチくらい長いのです。

『……これだ』

小さく僕は呟きました。この事に気づいてから、僕はテニスの練習もうわの空で、この特徴を活かした作戦について熟考していました。

読者の皆さん。

皆さんの思いはよくわかります。

「何を考えているんだ」

「そんな特徴が役に立つわけないだろう」

「考えが甘すぎる」

……まさに、おっしゃる通りで、うなだれる思いです。

――人が最も惨めに感じるのはどういう時でしょうか。

それぞれあるとは思いますが、『意味が分からないことを自分で言っていると十二分に理解していながらも、思わず言ってしまってスベる』というのは、その内のひとつだと僕は思います。そのスベった後の恥ずかしさを、自分で消化するほかにないからです。

まさに今の僕もそういった状態なのです。何が言いたいのかというと、『勢いで書き始めたブログの収集がつかなくなり始めてる』というのが、僕にも分かっているからです。

読者の皆さん。

この瞬間、僕が計画、実行した『完全犯罪』の動機が全て出そろったのです。

完全犯罪の全て

計画、ついに開始

手に入れたアイディアをもとに高校時代の僕は考えました。

――どうすればこの『左右の手の長さが違う』という特徴を使って、運動神経を手に入れるか?

計画はこうです。

手っ取り早く注目を集めるには、それぞれが別で活動しているクラブ活動よりも、学校行事に注目すべきだ。体育祭は注目度は高いが、案外記録というものは残らない。目で見た時の印象よりも、そこにいない人も納得させるような記録が欲しい。

そう考えた僕が目に付けたのが…

『……体力測定』

そうです、体力測定。全校生徒が一堂に会し、それぞれの種目に分かれた能力値を測る場です。

これなら、明かな記録に残るので全校生徒に向けて『運動神経の良さ』をアピールするには絶好の場です。僕は迷わず体力測定で思いついたアイディアを実行する事にしました。

迷わず…と言いましたが、それは正確には違います。僕の思いついたアイディアは、試合などの実技では意味をなさない。この体力測定という、記録を競う場だからこそ意味を成すものだったのです。

完全犯罪、決行

決行当日は、いつもと何ひとつ変わらない日でした。今から完全犯罪を犯そうという僕自身も、全く動揺や心の揺さぶりがありませんでした。それほどまでに僕の思いついた計画は完璧で、絶対にバレない自信があったのです。

事前にやらなければならない事はひとつしかありませんでした。先ほど、このアイディアは「記録を競う場だからこそ意味を成すもの」と申しましたが、そこを払拭する為にターゲットを選定する必要があったのです。

もうお分かりだと思うのですが、僕の思いついた作戦は「いい記録を出す方法」です。ですので、「いい記録」を出した後に、注目を集める必要があるのです。体力測定を思い出して欲しいんですが、運動会のような花形スポーツと違って、淡々と進んでいきますよね。

僕が懸念しているのは、いい記録を出しても、それがいい記録と認識されないことです。

――ここで皆さんにお聞きしたい。

皆さんは、体力測定での記録の基準値ってわかりますか?

「走り幅跳びは何メートル飛べばいい記録?」

「砲丸投げは?」

「踏み台昇降運動ってなんだっけ?」

全部ピンとこないでしょう。そうなんです。誰も男子高校生の体力測定の平均値なんて知りはしないのです。だからこそ、僕はターゲットを定める必要があったのです。

『明らかにスポーツ万能で身体能力も高い誰か』と比較して、僕の方が優れた記録を出し、「あれ、あいつなんかすごい記録だしてね?」という流れを作る必要があったのでした。

バレー部の藤井くん

その相手にも迷いはありませんでした。

『バレー部の藤井くん』

僕は彼をターゲットに選びました。何を隠そう、僕が完全犯罪を仕掛ける種目は『垂直飛び』でした。その為、明らかにジャンプ力が高そうな人と比較される必要があったんですね。

ジャンプ力といえば、バスケ部かバレー部でしょう。その中から、僕は仲の良かった藤井くんに声をかけて、自然な流れで垂直飛びの列に前後して並びました。

――藤井くんが先、僕が後。

これで、僕が藤井くんより高く飛べば、緊張感の全くない体力測定の場にもどよめきが起こるでしょう。そして、僕は運動の分野で注目を浴びる事になるのです。

垂直飛び、決行

読者の皆さんは、僕の実行した完全犯罪についてもうおわかりでしょう。

垂直飛びは、手にチョークをつけ、目盛りが書いてある黒板のような板に手をつける。ここで基準になる高さを測るわけです。そして、その場から一歩も動かずにジャンプして、再び板にタッチ。その差が跳躍した記録という種目です。

ここで、『左右の手の長さが違う』という体の特徴が活きてきます。そうです。僕の右手は左手よりも6~7センチ長い。つまり、左手でタッチして基準になる高さを作る。その後に、体を反転させてジャンプして、右手でタッチすれば、実際の跳躍よりも6~7センチ高い記録が出せます。それも全く持って不自然さを出すことなく…

藤井くんが飛びました。ダイナミックに飛びます。ああ、こんな風に身体能力が高ければ、僕もこんな完全犯罪を犯そうとしなくても注目を集めることができたのかな…と、そんな事を思いながら少しぼーっとしてました。

そんな時間もつかの間。記録が発表されます。

――75センチメートル

皆さんは、この数字がいいか悪いかもピンとこないでしょう。当時の僕もよくわかってません。体力測定の会場も、そこまで盛り上がるわけではなく、淡々と測定が進んでいいってる感じです。

そこで、僕はちょっと大げさに声をあげました。

「おお!藤井くんすごいジャンプだな!!さすがバレー部!!!よっ!大統領!!!」

大統領と言ったかどうかは覚えてないのですが、こんな風に声をあげました。すると、当然みんなが注目します。

――ここだ!

僕はこのチャンスを待っていた…いや、待っていたのではありません。他の誰かや、運に身を任せたわけではないのです。自分でアイディアを思いつき、シュチュエーションを作り、そして見事に作り上げた。偶然など何ひとつない…それは必然でした。

読者の皆さん。

想像してみてください。自分が思い描いた通りに事が進むことの爽快感…僕は高校生にして、ここまでのシナリオを描き、そして一切の動揺なくやり切ったのです。どんな気分だと思いますか?

本番に失敗するとか、プレッシャーに負けるという話があると思います。

それは、僕に言わせると準備が足りないだけ。はっきりとそう言えます。運動神経では確実に劣る、バレー部に対して、真っ向から僕は勝負を挑み、作戦を決行することができたのですから。

作戦を終えて

後で知ったことなんですが、男子高校生の垂直飛びの平均値は62センチメートルだそうです。そして、この日の僕の記録は67センチメートルでした。

読者の皆さん。

どう思いますか?僕の右の腕は左よりも6~7センチメートル長い。つまり、この日の僕の実際の記録は60センチメートル…そう、男子高校生の平均値より低かったのです。

そして、藤井くんの記録は75センチメートル。

75センチメートル VS 67センチメートル(実質60)

こうして、僕の完全犯罪は見事に遂行されました。

何が完全犯罪かって…そりゃ、記録が普通だったので誰も騒ぐことなく、静かに体力測定は終わっていったのです。ただ、僕は確かに誰にもバレずに作戦を決行し、やり遂げました。本当の完全犯罪、それは誰も騒ぐことなく静かに終わっていくものなのです…

読者の皆さん。

以上で、僕が高校の時に犯した完全犯罪の真相、その全てをここに書き記す事ができました。この事実がより広く世の中に公表されるように、SNSで僕のブログが拡散される事を強く願うばかりです。

この一件により、僕は特にこれといって何も手にすることはできませんでした。

そして同時に……。

青春ど真ん中を生きる自分自身のプライド。

かけがえのない、大事なプライドを失ったのです。

――失ったのでした。

編集後記『府中三億円事件を計画・実行したのは私です。』感想

はい。いかがだったでしょうか。

お気づきの人もいるかもしれませんが、この文章は話題の小説「府中三億円事件を計画・実行したのは私です。」をベースにした僕の悪ふざけです。

この話を書こうと思ったきっかけ

先日、ワーゲンバス日本一周企画の時に、北海道蘭越のお米農家タムタムが案内してくれた廃校になった小学校を案内してもらいました。その時、垂直飛びの板を見て「そういえばこんな事あったなぁ…」って思い出にふけっていたのですが、先日この小説を読んだ時に、これを書いてみようと思いついたのでした。

この小説は、「小説化になろう」というサイトに投稿され800万PVを超えたそうです。今回、僕が書いたような独白形式のテイストで、あの三億円の犯人を名乗る人物が、その手口や動機を公開します。

戦後最大の未解決事件と言われる三億円事件ですから、読み応えありますよ。中でも、僕は動機に関する部分が非常にリアリティあっておもしろかったです。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、人を突き動かす衝動の理由ってこういう事なんだろうなって感じましたね。

府中三億円事件を計画・実行したのは私です。

内容が気になった方はこちらからどうぞ!以上、新しいタイプの読書感想文でした!

ビジネス書ばっか読んでないで小説を読んで感性をやしないましょう!

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