ここ最近、2020年に開催する東名阪のDJライブに関する記事が多くなってます。300人動員を目標に掲げ、1月東京、2月大阪、3月名古屋でライブをするんですね。
300人動員する。これはぼくもやったことなくて、挑戦だと思ってます。見守りながら「こんなこと考えてやってるんだなー」っていう過程を見てくれたら嬉しいです。失敗するかもしれませんが、その場合は「こうやったら失敗するんだな」ってことがわかるので、間違いなく読んでて学びになると思います。
机上のビジネス論でなく、実際に挑戦してる姿をリアルタイムで見てもらえたら嬉しいです。
こんにちは。ぼくは広島でマーケティングの仕事をしてるのですが、その一方で行動する人の背中を押すためにDJ活動もしています。なぜDJなのか?と言われると音楽にはものすごいパワーがあって、それをみんなに体感してもらいたいのと自分が楽しいからです。
さて、今日は先日公開したブログに対して、とある人からアドバイスをもらいました。で、やらないと言いました(笑)
どんなブログだったかはこちらを読んでもらいたいんですが、読むのが面倒という人のために簡単にまとめると…
- 東名阪のライブの今回の目標は動員数
- お金の問題じゃないからクラファンはやらない
こんなことが書いてあります。これに対してもらったアドバイスが…
クラファンでお金集めて無料開催にすればいいのでは?
という内容でした。これに対する僕の答えはNo。アドバイスに関しては気にかけてくれてありがたいなと思ってます。これはマジで!
今回はやらないと決めたその真意を書いておきます。
目次
イベントの無料開催について
クラウドファンディングでイベントの開催費用を集めて、入場料無料にする手法。これを僕が知る限り1番初めにやったのはキングコング西野さん。2016年の東京表参道のえんとつ町のプペル展です。
厳密に言えば2015年のおとぎ町ビエンナーレもそれに当たるかもしれませんが、すべての費用をクラファンで集めるという点でこれを1番最初とします。
無料開催の狙い
ここで西野さんが狙ったことをまとめると…
人通りの多い一等地に発売する絵本の個展を開き、無料開催する事で通りがかった絵本に興味ない人を個展に引き込む
ということです。そのために開催費用を入場無料にするためにクラウドファンディングで開催資金を集めた。結果は大成功でした。連日多くのお客さんが来場し、その中には無料をキッカケでえんとつ町のプペルを知ったという人がたくさんいたことをよく覚えてます。
ちなみにこな子ともこの個展会場で出会いました。
無料イベント成功のポイント
西野さんの個展はなぜ成功したのか?ポイントを抑えておく必要があります。僕が考える限りでは…
- 圧倒的に作り込まれた世界観が外から見てもわかる
- キングコング西野の新作絵本の個展がクラウドファンディングで入場料無料というニュース
- 常に人があふれて賑わっているのがわかる
大きくはこの三つだと考えています。逆に言うとこれを満たさなければ無料でも入ってみようとは思わないでしょう。
当時の写真です。西野さんが「外から見ても中を見たくなるように!」と準備段階で何度も言ってたのをよく覚えてます。
無料イベントは注目度があって初めて機能する
これ以降、クラウドファンディングの認知が高まったり、その後の西野さんによる絵本の無料公開(2017年)があったりで
「無料公開して多くの注目を集める」
という手法がだんだん世の中に浸透していきました。
特に2017年あたりは、一部ではまるで「入場料を取るのが悪手」みたいな扱われ方をしたり、やたらと無料公開を勧める人が増えたことをよく覚えてます。
もちろん僕も、この無料公開というやり方にすごくワクワクしたので、いろんな場面でこの方法は試してみました。
自分のDJのデビューイベントだったり…
先日のしなやかフェス春だったり…
あまり覚えてる人は少ないかもしれないけど札幌でのDJライブだったり。
イベントだけに絞っても色々試してみました。そして圧倒的に痛感したことがあります。それは…
「無料公開は注目度があって初めて機能する」ってことです。これらのイベントを無料開催することはできましたが、動員にインパクトを与えたか?といわれるとそうでもありませんでした。
では、無料開催が機能するイベントとそうでないイベントの差は何なんでしょうか?
先ほど西野さんの個展が成功したポイントを書きましたが、西野さんのえんとつ町のプペルの個展はそれを満たしてました。
- 人通りが多い場所
- 圧倒的に作り込まれた世界観
- キングコング西野が仕掛けたというニュース
これらがそろって初めて…
「え!無料なの?それは行ってみたいかも…」
が機能するわけであって、知名度がないイベントを無料にしても集客機能にはならない。
これは僕が痛感したことです。知らないイベントが無料になったところで知ったこっちゃないんですよね。これはイベントのクオリティに自信があるとかそういうこととは別の話です。来てみないと分からないものには機能しにくいという意味です。
無料開催をしてみて学んだこと
分からないものには機能しにくい
これを踏まえるとDJライブには無料開催が向いてないことがよくわかってきます。ここからはその理由をひとつづつ書いていきますね。
中に入るまでわからない
これが今回ぼくがライブをする東京会場VUENOSの写真なんですけど、ここの入場無料って書いてあってどう思いますか?
めちゃくちゃ入りにくくないですか?
音楽ライブって体験するまでわからないので、非常に無料開催には不向きだと思うんですね。知名度があればもちろん別です。現に無料ライブで大きなハコを埋めるアクションをするバンドも出てきてます。
というか外観かっこいいな、よくここでライブする段取りができたな…
単発イベントでは口コミが広がりにくい
あとは、これ結構大事だと思うんですけど単発よりも長期的なイベントの方が向いてるなってのも感じました。口コミが徐々に広がっていくからですね。
イベントが長期に渡って開催されてると、SNSの口コミ投稿を見て「これが無料なのか、私も行ってみよう」と動く人が現れる。イベント終盤に向けて尻上がりに盛り上がってくイメージです。単発のライブだとその設計が難しい。
無料でも時間はコストになる
そして一番大事なのがこれ。時間ってめちゃくちゃ貴重なんです。無料にしたから人が集まるってことはないのです。
無料ってのは求められてるからこそ価値が出てくる。今回のチケット1,800円が即日完売とかするなら無料にする意味はあるでしょう。
だから僕は客観的に見て、今回の東名阪ライブをクラウドファンディングで資金を集めて入場無料でやってもあまり意味がないと思います。
プロジェクト自体はライブには行けないけど、僕を応援してくれてる人が「なんとかしよう」と思ってくれて達成するかもしれません。
でも、それで無料にしても動員が増えることにはならない。だったらやる意味はない。これがやらない理由のひとつです。
クラウドファンディングは打ち上げ花火
次に、今回のイベントが定期イベントだからです。定期イベントを育てたいのが目標だから。
クラウドファンディングは打ち上げ花火みたいなものです。ここぞって一発イベントでは、上記の課題をクリアしながら入場無料で大きく広げにいくのに挑戦するのはアリだと思います。
ただ、今回の目的は定期イベントを育てるということ。1〜3月が終わったら次は4〜6月もあります。その次は7〜9月、10〜12月と年間を通じてやる。目的は濃いファンをつけて地力をつけるため。
だからクラファンで無料にして動員した!だと求めてるものと違うんです。あくまで入場料払って来たい人が目標の300人いる状態を作りたい。
ライブハウスもリスクを負っている
東京会場は渋谷の…
★VUENOS(ぶえのす)
吹き抜けの店内にシャンデリアが輝くゴージャスな雰囲気。各コーナーにある巨大スピーカーにより迫力あるサウンドが体感できる。なぜこんないい会場が予約できたかは後程話します…
★チケットはこちらhttps://t.co/tjwbt6Bme4
★最寄り駅
渋谷駅 pic.twitter.com/FBsY9EmpWm— わいざん(横山文洋) (@yzan_travel) December 24, 2019
さらに細かいことを言うと、僕はライブハウスにドリンク代をなるべく落としたいと思ってます。ライブハウスが潤わないと活動を続けるのが難しくなる。実は今回一番プレッシャーを感じてるのはここです。250人収容の巨大なライブハウス。人を集めれないと売上にも響く。もちろん、借りる時に自分の知名度や過去の動員などは正直に話しましたが、それでも…
「気にせずやっちゃって!」
という言葉をいただきました。
この言葉に甘えて、
よっしゃ!気にしなくていいならリスクないわー!
と思うわいざんなわけがありません。そう思うんであればわいざんなんてやってません。なんとかこの意気に応えれる自分でありたい。
入場無料にすると来る人数が把握しづらく、申し込みフォーム作っても「無料だから」の温度感だと来ない人もいるでしょう。そうなるとドリンク代が当日まで状況がわからないわけで、それは僕は絶対に避けたい。こういう事情もある。
以上のことから、今回はクラウドファンディングは選ばないという選択をしています。
今回のDJライブは無料開催での集客効果は見込めない
自分がワクワクしないことはやらない
最後に大事なことを。今回僕は動員数が大事とは確かに書いたけど…
熱狂する空間をつくるために動員数が必要
と書いてます。
無料参加では求める空間は作れない
つまり、「無料だから行こうか」の温度感の人がいるとそこが崩れるってこともあります。あくまで来る人とお金を出す人がイコールじゃないとダメなんです。もちろん、どーしても来たい人がお金の都合がつかなくて、誰かがプレゼントするとかならいいけど。
入場無料が先にあって、それが理由で来る人で空間を作ったらアウトってことです。空間ってマジで全員で作るものなんですよ。やりたいのはあくまで来てくれた人が「行動したい!」「自分にもできる!」って思ってもらうこと。これには真正面からの集客の積み重ねが必要ってこと。
DJはDJボタンを押す前に勝負は決まってるってことです!
これが僕が今回はクラファンをしない理由。伝わったでしょうか?
お金の問題はクリアできる
お金の問題は過去にいろいろやってきたのでクリアできるノウハウは得られてる自信はあります。ただ、今回挑みたいのはそこではなく時間を使って来てくれる人を増やすこと。
そのためにはクラウドファンディングではないって判断です。こんな風にロジックでは説明できますが…最後に一番大事なこと。
本音を言うと、もうそこにワクワクしないんですよね…クラファンでお金集めて無料開催!というのに。(それを否定はしてません!ポイントを抑えてやれば効果はあると思います。ただ、コンサルなので自分がやったことないことに魅力を感じるんです)
チケット1,800枚を300枚売るためにどうするか?を考える方がワクワクする。
これが本音です。あとはなんだかんだで後付けかも(笑)
そんなこと言いながらこの二日間はチケット売れてません。
東京 12枚(0)
大阪 8枚(0)
名古屋 5枚(0)
※()内は前日比
偉そうに語ってますが絶賛困ってます!
赤字は全然かぶります。怖くない。ただ、僕はどーしてもみんなで「楽しい空間をつくりたい」んです。
正直、これがダメだったらもうDJは諦めようかとも思ってます。
ここまでやって求められてないなら、それは諦めようかな、と。一緒に働いてるメンバーにも迷惑かけたくないし。芽が出ないならそこは覚悟したい。
これ別に自暴自棄になってるわけではないですよ(笑)
そのくらいの覚悟でやらないと叶わないんだろうなってことです。絶対に続けたいのでなんとかしたい。でも、ズルズルと延命はしたくない。
やりたいことはあくまでみんなと楽しいをつくることで、これが違うならめちゃくちゃ辛いけど受け入れる覚悟は持っておきたい。
そのくらいの覚悟でやってるのでちょっと無理してでも見に来てね。遠方で何かしたいけど…って人はTwitterで #DJわいざん つけて投稿してくれるのが何より力になります。
音楽の新しい切り口を見ることが出来た。今後の世の中はこういう形になっていくんだろうな。
最高でした。
ありがとうございました。👏✨#DJわいざん #DJ森森子 #DJダイノジ #ジャイアンナイト pic.twitter.com/fpeAFPYpxo— Ryuya.F (@yyy_zyx) January 23, 2018
当日はみんなの勇気になるようなパフォーマンスします!