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よく粘るラーメン屋に出会ってしまった話

今日のお昼、ラーメンを食べにあるラーメン屋に入った。

ラーメンにご飯と餃子が付いたAセットを注文。ここのご飯にはうっすらと塩が振ってあって、旨味がすごい。豚骨スープと合わせて食べると、めちゃくちゃ美味いんですよね。

麺の硬さは当然はりがねで。熱々のスープと硬めの麺。食べながらスープを吸収しても、まだまだ麺の歯ごたえを楽しめるってのが魅力だ。

そんなことを考えながら注文後、楽しみに待ってると…

ラーメンは来たものの、待てども待てどもご飯と餃子が来ない。

まぁそのうち来るだろう…と、ラーメンを食べ始める。はりがねの魅力が味わえなくなったら困るからね。

4分の1くらい食べたところ…それでも来ない。これ以上食べてしまうと、ラーメンを食べながら塩気のあるご飯を食べたいという欲求が叶えられなくなるぞ。

まぁでもこの髪型と目立ってきたお腹だ。ご飯を急かすのもどうも気恥ずかしい。まぁもう少ししたら来るだろ…と思ってラーメンを食べ進める。何しろはりがね麺だ。これ以上柔らかくしてしまうとはりがねの魅力が損なわれる。

…半分くらい食べてしまった。ご飯はまだ来ない。いや、餃子はわかる。注文が入ってから焼くってこともあるだろう。でもご飯は流石に…若干の恥ずかしさはありながらも店員さんに聞いてみる。

「あのーご飯を頼んでるんですが…」

お客さんの目が一斉に僕に注がれる。

(おい、あのアフロ、ご飯頼んでるぜ!)

(だからあんなに腹が出てるのか!)

きっとみんなそう思ってるに違いない。ちくしょう…なんでこんな目に合わなければいけないんだ。

店員さんは「少々おマッチくだサァセェ!」と威勢よく、答えてるんだか答えてないんだかよくわからない音だけが返ってくる。

ああ、これはもうダメだな…と、思って別の店員さんに言う。

「あのー、ご飯と餃子頼んでたんですけど、もうラーメンほとんど食べてしまったんでもう大丈夫です。」

別にお金はかかってもいい。ただ、もう出ようと思ってただけなんだけど「しょ、少々お待ちください!」と言われまた待つことに。

しばらくして、ご飯と餃子が出てきた。「お代は結構です!すいませんっ!」と、今度はまるで僕がクレーム入れてご飯と餃子を手に入れたみたいな感じになってしまった。

「い、いや大丈夫です」

僕はラーメンとご飯が一緒に食べたかっただけなんだ。ラーメンを食べ終わった今、ここから餃子でご飯を食べるのはお金を払うよりきつい。

店員さんはめちゃくちゃ粘る。粘りに粘る。絶対子供の頃にねるねるねるねに影響され、卒業文集に「将来の夢はねるねるねるねです!」って書いたやつに違いない。努力して夢を叶えたんやな。すごいな…ってそんなことは今は関係ない!

なんとか大丈夫です、と粘りを交わして会計へ。ところがまだ安心できない。よくここまできたな。だが、先ほどの『ねるねるねるね』は我々『粘り四天王』の中でもっとも最弱…とでも言わんばかりに今度は会計でもしっかり謝られる。ついには餃子を持ち帰りませんか?と言われる。いや、この後用事があるんすよ。餃子持ってはいけない!

すごい粘りだったが、なんとか2番手の『トルコアイス』を倒し、ようやく出口に…と思ったら甘かった。今度は出口で1人待ち構えててそこでも謝られる。ついに出たか…こいつのあだ名は『納豆』だ!相当な粘りを見せる手強い奴め…

それにしても瞬発力はないくせに絶妙な粘りを見せてくるな、ここの店員ども!もしかしたら中日の井端が店長なのかもしれない。ファールで粘って粘って、棒球が来るのを待つ…的な。そういう自身の成功体験から粘りの指導をしてるのかもしれない。

わかったよ!もういいよ!オレはラーメンとご飯のハーモニーを奏でたかっただけなんや!チキショーーーーーー!!!

〜完〜

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