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中央競馬唯一の現役女性騎手 藤田菜七子のすごさをわかりやすく解説

こんばんは。わいざんです。新潟の旅も2日目、そして最終日。今日には広島に戻らなければなりません。

昨日はこの旅の主目的である燕三条にて開催されている工場の祭典を取材してきました。

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これを動画にしてYouTubeで公開することが今回のミッションなんですが、昨日1日でかなりの撮れ高がありました。つまり、時間的に余裕ができてしまったんですね。

ひぐちさん(写真右)ありがとうございました!

さぁ、というわけで今日は何をしよう?突如現れた自由時間にワクワクするわいざん。新潟といえば行ってみたいところがあるんですよね。そこで、恐る恐る楠さんに言ってみた。

「新潟競馬場に行きたいんですけど…」

って。そりゃいつも楠さんのやりたいことに付き合ってるんだから、たまには僕の行きたいところに行ってもいいじゃないかと。そしたらこう返ってきました。

新潟競馬場ですか…(嫌そう)

これなんですよ。みなさん、こいつはこういう奴なんですよ。全部自分のことばっか!たまには僕の好きなこともやらせてくださいよ!と懇願してようやく許可がおりました。

今回の記事では、新潟競馬場を中心にした初心者向けの競馬の説明と、中央競馬唯一の現役女性騎手である藤田菜七子騎手について書きたいと思います。競馬界という男社会で活躍する藤田菜七子。その姿からきっと挑戦する人は勇気をもらえるんじゃないかと思います。

新潟競馬場と競馬について

新潟競馬場!

やったーーーー!!嬉しい!!!

わいざんの競馬歴

わいざんは競馬が好きで競馬歴は今年で18年目。あのアグネスタキオンとジャングルポケットとクロフネがしのぎを削った2001年からずっと競馬を見てます。多分人生で最も長く続いていることだと思います。

中央競馬には10の競馬場があり、函館競馬場、福島競馬場、新潟競馬場に行ったことなかったんですね。なので今回新潟をクリアして完全制覇まであと2場!なかなか開催時期と行くタイミングを合わせるのが難しいんですよね。でも必ず完全制覇するつもりです。

新潟競馬場の特徴

新潟競馬場といえば、なんと言ってもこの長い直線。第4コーナーからゴールまでなんと659メートル(外回りコースの場合)もあります。さらにはこの直線を利用した日本で唯一の直線1,000メートルのコースもある特徴的な競馬場なんですよね。

直線競馬では、外ラチ沿いを走ってくるのでテレビで見ててもかなり見応えがある。それを生で見るとどんな迫力なのか…考えるだけで楽しみです。いやー新潟来てよかった!

中央競馬唯一の現役女性騎手 藤田菜七子

さらには、この日新潟競馬場には藤田菜七子ジョッキーがいました。

知らない人は是非知っててほしいんですけど、藤田菜七子は現在中央競馬では唯一の女性騎手です。

中央競馬では…という注釈がこの手のニュースにはよくついてるんですけど、なぜこの注釈が必要なのか?簡単に言うと日本の競馬は中央競馬と地方競馬の2種類あるってことなんです。これを知っておいてください。つまり藤田菜七子以外でも地方競馬には女性騎手がいるってことです。

ここがニュースをわかりにくくしてる。「え?唯一の女性騎手っていうけど、こないだ他にも見たよ?」的な感じの。あくまで中央競馬で唯一の現役女性騎手だということを覚えておいてください。

中央競馬と地方競馬の違い

では中央競馬と地方競馬ってどう違うの?ってことになると思うので説明します。よく勘違いされるのが新潟競馬場とか小倉競馬場のような地理的に地方にある競馬場を地方競馬だと思ってる人が多いんですけど、それは間違いです。

中央競馬と地方競馬は運営団体が違うと覚えておいてください。ふたつあるんだなーって感じで。で、みんなが知ってる競馬はほぼ間違いなく中央競馬です。テレビとか新聞で話題になってるのはほとんど中央競馬。

地方競馬は説明すると奥が深すぎるので割愛しますが、基本的に中央競馬の方が敷居が高いと思っておいてください。藤田菜七子はその中央競馬で唯一の現役女性騎手ということです。ここを抑えておくと今後ニュースを見た時わかりやすくなります。

ちなみにニュースやTVでよく見るJRAというのは中央競馬のことです。

藤田菜七子騎手はどのくらいすごいのか?

では、中央競馬の女性騎手がどのくらいすごいかというと、結構すごいです。なにせ競馬界は男性社会です。これは女性軽視というより腕力などの身体的なことからなので、女性が少ないのも致し方ないかと思います。

中央競馬の女性騎手の歴史

まずこれまで中央競馬に女性騎手は何人いたのか?というところから。藤田菜七子を含めて7人です。

中央競馬会の発足が1954年らしいので、65年の歴史の中で7人です。結構少ないですよね。さらには、藤田菜七子が活躍を見せるまでは、目立った活躍もないのが現実でした。

そのうえ、2013年に当時唯一の中央競馬の女性騎手だった増沢騎手が引退したため、中央競馬に女性騎手はいなくなってました。

そんな状況の中2016年にデビュー。3年ぶりの女性騎手ということで、当時からメディアの注目度は高く、注目を集めてのデビューでした。

中央競馬の女性騎手というだけで話題性があるのはなんとなくわかったと思います。しかし、藤田菜七子はその後がすごかった。話題性だけでなく、実力も備えてたのです。

地方競馬と藤田菜七子

藤田菜七子のすごさを伝える時、これまたややこしいのがさっきの中央競馬と地方競馬なんですよ。ここを理解しておかないと、ニュースを見ても「あれ?」ってなるわけです。なので超簡単に説明します。

藤田菜七子のデビュー戦は地方競馬なんです。

「え?さっき中央競競馬で唯一のって言ったやん?」

って思うかもしれませんがここなんです、ややこしいのは。所属は中央競馬でも地方競馬のレースにも出れる場合があるんです。なので、藤田菜七子の記録が報道される時、地方競馬での記録が含まれてるんですよね。

でも、地方競馬には前述した通り女性騎手は他にもいて、地方の女性騎手にとっては記録ではなかったりすることがある。ここがややこしいので注意が必要です。

では、どんな時に中央競馬の騎手が地方競馬のレースに出場できるかを説明します。

エキストラ騎乗

中央競馬と地方競馬も仲良くやってこうぜ!って事で、交流戦みたいなのがあるんですよ。プロ野球のセリーグとパリーグは昔は日本シリーズでしか戦わなかったけど、最近は交流戦があるじゃないですか。あれみたいなもんです。

地方競馬で交流戦がある日は、対象レースで中央競馬の馬に乗る騎手は他のレースも乗ることができるんです。これをエキストラ騎乗といいます。

藤田菜七子はこの制度を利用して中央競馬所属でありながら、地方競馬のレースでデビューしたんです。その為、他の同期騎手よりも早く実戦を経験することになったんですね。デビュー戦でこのケースはかなり珍しいです。

藤田菜七子のデビュー戦

デビューの日は6鞍に騎乗して2着が1回でした。レース終了後にはこんなコメントを残しています。

藤田菜七子コメント
小学校6年の時からジョッキーを目指して、この日が待ち遠しかったです。レースに乗ることが出来て感激しています。ただ、自分の思っていたレースは出来なかったです。レースの合間には何をしていいのか分からなくてあたふたしてしまい、今日1日は30点ぐらいです。今日獲得した賞金で馬具を買いたいと思います。あとは両親と食事に行きたいです。

レースに乗れた喜びと、両親含む関係者への感謝。そして自分への向上心が伺えます。騎乗成績は以下の通りでした。

藤田菜七子デビューの日

1R 3歳8ロ(ダート1400m・9頭立て)
コンバットダイヤ  8着

4R C3四五六(ダート1500m・12頭立て)
シンフォニーヒルズ 4着

5R C3四五六(ダート1500m・11頭立て)
ミスターナインワン 2着

8R C1三四(ダート1400m・12頭立て)
ポッドジョイ    5着

10R マーチスター賞(ダート1600m・14頭立て)
レガリアシチー  13着

12R 沈丁花特別(ダート1500m・11頭立て)
ポッドライジング  3着

競馬では5着以内を掲示板に乗るというのですが、6回乗って4回掲示板に乗ってます。これは結構すごいことです。

中央競馬でのデビュー戦から初勝利

そして迎えた中央競馬でのデビュー戦。当時「え?こないだデビューしてたじゃん」って思った人もいるかもしれませんが、中央競馬でのデビュー戦って意味だったんですね。

その結果が2着。「2着かよー」と、地味に思うかもしれませんが、デビュー戦で2着もなかなかすごいことなんですよ。なかなか勝てないのが競馬です。

初勝利は36戦目(中央22鞍、地方14鞍)。地方競馬である浦和競馬での勝利でした。

藤田菜七子初勝利コメント
本当にうれしい。お世話になった全ての人に感謝したいです。(アスキーコードには)ありがとうのひと言。この勝利をまず両親に伝えたいです

しかも、この日は2勝してるんですけど、1日に2勝は中央競馬所属の女性騎手としては史上初です。競馬で勝つことがどれだけ大変か、なんとなくでも伝わると嬉しいです。

最速重賞デビュー

ここでもうひとつ覚えておいてほしいことがあります。それがレースの格付けです。。競馬には大きく分けて2種類のレース格付けがあります。

重賞かそれ以外

です。ここまでざっくり分けてしまうと詳しい人からツッコミも来そうですが、とりあえず今回は重賞というのがあるんだなって知っておいてもらえたら大丈夫です。

重賞とは、読んで字のごとく重い賞、目玉となる看板レースです。重賞の中にも格付けがあるんですけど、まずは重賞はすごいと覚えておいてください。

競馬は1勝するのも難しいと言いましたが、重賞ともなると出場するのが難しいんです。にも関わらず、藤田菜七子はデビューから14日でスプリングステークスという重賞に出場しています。それまでの女性騎手による最速重賞デビューが142日目だったので記録を大幅に更新。どれだけすごいかわかると思います。

しかし、この辺は正直な話をすると、注目度や期待の高さによる関係者の力が大きかったと言えると思います。もちろん、それをさせてるのは藤田菜七子なんですが。ただ、本当にすごいのはここからです。

名実ともに実力ジョッキーへ

翌年の2017年には年間14勝をあげ、中央競馬女性騎手の年間勝利数記録を更新。2018年にはデビューからの通算勝利数を35勝とし、中央競馬女性騎手の通算最多勝利記録を更新。着々と、すごいスピードで記録を塗り替えていきます。

そして2019年に中央競馬女性騎手としては初のG1に騎乗。G1というのは重賞のボスみたいなもんです。最高峰の格付けのレース。それに出場したんですね。これは本当にすごいことなんですよ。G1に乗れずに引退していく騎手もたくさんいますから。

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そして先日、G2東京盃を勝利。中央競馬女性騎手として初の重賞勝利を飾りました。もう話題先行ではなく、立派な実績を着々と積み上げてきてます。ハンパない。

新潟競馬場で1日4勝

そして昨日は新潟競馬場で1日4勝という大活躍。7レースに騎乗しての成績なので半分以上勝ったということ。当然中央競馬女性騎手として史上初です。

これで今年の勝利数は34勝。さらには今日も1勝して35勝。中央競馬の騎手全国リーディングの20位が42勝なので、もしかしたらリーディングに名を連ねる可能性すらあります。まぁ7勝差は簡単に埋まるものではないですけどね。

ちなみにこのツイートにある新潟の年間リーディングというのは、 新潟競馬場での年間勝利数の順位です。競馬場限定とはいえ、2位の戸崎騎手を抑えて1位ってすごいこと。ちなみに戸崎騎手はG1もバンバン勝ってる超一流ジョッキーです。

こうなってくると「中央競馬女性騎手としては」という注釈がいらなくなる日も来るのではないかと思わされます。女性騎手としてではなく、1人の騎手としての記録も見えてくるかもしれない。

どうですか?藤田菜七子のすごさが伝わってきましたか?

藤田菜七子ジョッキーの活躍から学ぶこと

今回、つらつらと(出来るだけ簡潔に)藤田菜七子のすごさを語りましたが、僕が伝えたかったのは、ただすごいというだけの話ではありません。

女性でありながら競馬の世界へ挑戦する藤田菜七子の姿を見ることで、条件的には厳しいフィールドでもがんばろうって思えませんか?僕も日々うまくいなかくてもがいてることが多いのですが、そんな時に藤田菜七子の活躍を見ると勇気がもらえます。

藤田菜七子の家庭は競馬とは全く関係なく、テレビで競馬中継を見て騎手を志したといいます。競馬界は家族が競馬関係者だからその道に進む…というケースが多いので、全く関係ないところから乗り込んでくるには勇気がいる世界です。そこに乗り込んできてこの活躍…めちゃくちゃワクワクする話だと思いませんか?

想像でしかないですが、きっと子供の頃にテレビ中継を見てる藤田菜七子さんの目には、騎手がカッコよく魅力的にうつったのでしょう。同じように、藤田菜七子さんの活躍を見て騎手学校に女性の志望者が増えてると聞きます。

こんな風に、誰かの真剣な姿は誰かの人生を大きく変えるんだなぁと思わされます。こういう挑戦の連鎖が新しい未来を作ってくんだなぁと思うとめちゃくちゃワクワクします。

僕もどうせ生きるならこんな風に誰かにいい影響を与えるように生きたいなぁと思います。藤田菜七子さんの活躍を見てやる気が湧いてきました。今日、新潟競馬場で生でその姿を見れてよかったです。

勝つより負けが多いのが競馬

楽しみにしていた直線レースでは、藤田菜七子は残念ながら14着でした。

残念だったけどそう簡単に勝てないのが競馬。わかりやすい結果はすぐには出ない世界。1勝の裏にはその何倍も負けがあるんです。それでもひとつひとつ積み上げていく姿に勇気をもらえます。

みなさんも藤田菜七子の挑戦を応援してみてください。きっとたくさんの勇気をもらえると思います。いつかG1を勝つ日を楽しみにこれからも注目したいと思います。

藤田菜七子とももクロ

余談ですが、藤田菜七子は大のももクロ好きだと聞きます。振り付けも完璧に踊れるとか…

ということは、もしかしたらわいざんTVを見てるかもしれません。藤田菜七子が見てるかもしれないわいざんTVを今後ともよろしくお願いします。

【ももクロトーク】
わいざんTV:ももクロ”春の一大事”の魅力を熱弁してみた

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